地域ブランド

地域団体商標の取得

 商標 「市田柿」
 商標登録  第5002123号
 指定商品 長野県飯田市・下伊那郡産の干し柿
 登録日 平成18年(2006年)11月10日
 権利者 みなみ信州農業協同組合
下伊那園芸農業協同組合

出願の動機

豊富な食物繊維、上品な甘さを備えた「市田柿」は、手頃な大きさが食べやすさを増し、機能性にあふれた美味しさに年々人気が高まる中、「中国産市田柿」と称して中国干し柿が流通されるようになりました。このことは「市田柿」の人気、知名度が高まった証とも言えますが、産地とすれば「市田柿」のイメージを失墜するものであり、地域の名産「市田柿」を、行政をはじめとし、生産・販売する事業者が一体となって守らなければならないと出願に至りました。

出願の準備

平成17年2月、地方公共団体が主催する「市田柿振興懇談会」において、地域ブランドづくりの検討が行われ、10月には商標登録に向けて弁理士による制度学習会を開催しました。
以後、みなみ信州農業協同組合及び下伊那園芸農業協同組合による代表共同申請として弁理士に依頼、申請書類の準備を進めました。

ブランド管理

地域団体商標の権利取得とともに、「市田柿」商標の適正な管理を行うための「市田柿商標管理委員会」を設置しました。
また、市田柿の生産・出荷・販売に携わる事業者が連携・協力し、生産体制の向上及び品質維持管理に努め、ブランド価値の維持・向上を目的に、この趣旨に賛同する事業者(商標使用締結事業者)、関係機関による「市田柿ブランド推進協議会」を立ち上げました。
「市田柿商標管理委員会」では、市田柿を生産・販売、商標の使用を希望する事業者に「商標使用に関する協定申請書」を提出していただき、「市田柿地域団体商標の使用基準」に基づき、書類審査、事業所審査を実施した上で認可、商標使用とブランド化に向けた取組み協定を締結しています。
「市田柿ブランド推進協議会」では、市田柿品質の維持・向上と加工食品としての衛生管理体制、ブランドとしての意識高揚のため、年2回ほどの研修会を開催しています。また、毎年、「衛生管理マニュアル」「衛生管理チェック表」を作成し、生産者・事業者への徹底を図っています。
ブランドとして一定の基準以上のものを「市田柿」として流通するよう「市田柿品質基準」を作成するとともに、ブランドとしての品質向上、生産者間のレベルアップを目的に、毎年、市田柿品評会(市田柿コンクール)を開催しています。

ブランド展開

「中国産市田柿」の対応もふまえ、地域団体商標のロゴマークを作成、使用基準に基づいて生産された市田柿へ表示し、差別化を図るとともに、ポスター、リーフレット作成により市場、小売店を通じ、消費地へブランドとしての「市田柿」アピールを進めています。
また、海外販売も実施する中、中国、香港、台湾への商標登録申請を進め、平成21年4月には香港、平成22年7月には台湾で商標登録ができました。